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術師アブラメリンの聖なる魔術の書

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 『術師アブラメリンの聖なる魔術の書(The Book of the Sacred Magic of Abramelin the Mage)』は、西洋グリモワール史を代表する魔術書のひとつです。物語は、ユダヤ人の賢者アブラハムが旅の末にエジプトの術師アブラメリンと出会い、そこで授けられた秘術を息子ラメクへ伝えるという形式で展開します。今日広く知られる英語版は、黄金の夜明け団の創設者の一人S・L・マグレガー・メイザースによって19世紀末に紹介されたもので、この文献を近代西洋魔術の世界に広く知らしめる契機となりました。

 本書の中心をなすのは、長期にわたる祈祷と清浄の実践を通じて「聖守護天使」との接触を目指し、その後に霊的存在を服従させるという独特の魔術体系です。また、さまざまな目的に対応する文字配列の「魔術方陣」でも広く知られています。単に霊を召喚する技法を並べたグリモワールとは異なり、まず術者自身が神的なものとの関係を確立することを魔術実践の根幹に置いている点に、大きな特徴があります。

 中村心護氏による本書は、この『アブラメリンの聖なる魔術』を扱った日本語版です。アブラハムがアブラメリンから秘術を授かり、それを息子ラメクへ伝えるという物語とともに、祈祷、霊的修練、霊の統御、魔術方陣などから構成される独自の魔術体系を収録しています。

 神的存在との接触から始まり、やがて諸霊の統御へと至る――長期間にわたる壮大な魔術的修練を説いた、西洋グリモワールの中でもひときわ異彩を放つ一冊です。

 著者:中村心護
 431ページ/ペーパーバック

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