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図説 魔女の文化史

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著者:セリヌ・デュ・シェネ
訳者:蔵持不三也


 魔女とは、いかなる存在だったのか。

 恐れられる女、迫害される女、知をもつ女、誘惑する女、反逆する女、そして現代において再び魅力的な象徴として語られる女。本書『図説 魔女の文化史』は、中世末から現代にいたるまで、魔女という存在がどのように見られ、語られ、描かれてきたのかをたどる、豊富な図版を備えたヴィジュアル文化史です。

 魔女は、単なる空想上の存在ではありません。近世ヨーロッパにおいては、悪魔と結託し、共同体に災厄をもたらす危険な存在として告発され、多くの人々が魔女狩りの犠牲となりました。その一方で、文学、美術、演劇、映画、民衆文化のなかでは、魔女は恐怖と魅惑を同時に帯びた強烈なイメージとして生き続けてきました。

 本書は、そうした魔女像の変遷を、歴史と図像の両面から読み解いていきます。魔女狩り、悪魔信仰、サバト、呪術、薬草、空を飛ぶ女、怪物的な老婆、妖艶な誘惑者、そして近現代におけるフェミニズムやポップカルチャーのなかの魔女まで。時代ごとに姿を変える魔女のイメージは、女性に対する社会のまなざし、恐れ、欲望、抑圧、そして解放の歴史を映し出しています。

 原書の題名は、フランス語で『魔女たち――女たちの歴史』を意味する Les Sorcières: Une histoire de femmes。その題が示すように、本書が扱うのは、魔女という怪異の歴史であると同時に、魔女と呼ばれた女性たち、また魔女というイメージを背負わされ、あるいは引き受けてきた女性たちの文化史でもあります。

 著者セリヌ・デュ・シェネは、フランスの公共ラジオ局France Cultureに関わる作家・ドキュメンタリー制作者。放送文化に根ざした語り口は明快で、専門的なテーマを扱いながらも、図版とともに読み進めやすい構成となっています。

 危険で邪悪な存在として恐れられた魔女は、なぜ現代において魅力的な象徴となったのか。迫害の対象であった魔女像は、どのようにして抵抗、自由、知恵、女性的な力のイメージへと転じていったのか。本書は、その複雑な道筋を、歴史資料、絵画、版画、文学、映画、現代文化のイメージを通して案内してくれます。

 魔女狩り、魔女術、悪魔学、民間信仰、女性史、図像学、ゴシック文化、現代の魔女イメージに関心のある方におすすめの一冊です。魔女をめぐる恐怖と憧れ、その両面を知るための、格好のヴィジュアル入門書といえるでしょう。


 単行本/B5変形判/196ページ
 出版社:原書房

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