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ケルト世界の魔法と魔術

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著者:ブリジッド・エールマントロート
訳者:高尾菜つこ


 古代から中世にかけて、ケルト語を話す人々は、世界をどのように畏れ、祈り、癒し、呪い、守ろうとしたのか。

 本書『ケルト世界の魔法と魔術』は、ケルト語圏に伝わる魔術的実践を、文献と史実を手がかりにたどる一冊です。神話や伝説のなかに漂う幻想的な「ケルト」のイメージだけでなく、現実の人々が言葉、薬草、護符、祈り、呪文、儀礼をどのように用いたのかに目を向け、古代から中世にいたる魔術文化の姿を描き出します。

 ケルト世界の魔術は、ひとつの体系に整えられた教義ではありません。アイルランド、ウェールズ、スコットランド、ブルターニュなど、広いケルト語圏の伝承や文献のなかに、断片的に、しかし力強くその痕跡を残しています。そこには、ドルイドや詩人、治療者、聖人、魔女、呪術師たちの姿があり、病を癒すまじない、敵を退ける言葉、守護を求める祈り、自然界の力を借りる術、死者や異界と関わる物語が息づいています。

 本書の特色は、ロマン化された「ケルト魔術」のイメージにとどまらず、可能な限り文献資料に基づいて、実際に人々が用いたと考えられる魔術を紹介している点にあります。呪文や治療法、護符、予兆、祝福と呪い、キリスト教化後の聖人信仰に結びついた祈りまで、ケルト世界の魔術は、異教的な伝承とキリスト教的世界観が交錯する豊かな領域として浮かび上がります。

 ケルト神話、民間魔術、呪文、護符、聖人伝、古代・中世ヨーロッパの宗教文化に関心のある方にとって、本書は魅力的な入口となるでしょう。幻想的なケルト像の奥にある、史料に根ざした魔術文化の姿を知るための、貴重な案内書です。


 ケルト世界の地図
 序章

 第1部 古代の魔術
  第1章 神々と奉納品
  第2章 呪いの鉛板
  第3章 ギリシャ=ローマとケルトの魔術

 第2部 中世の魔術
  第4章 守護の祈りと聖人の助け
  第5章 医療の魔術と占星術
  第6章 中世文学における魔術師

 豊かな余生
  謝辞
  注釈と参考文献
  図版出典


 単行本/四六判/240ページ
 出版社:原書房

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